平泳ぎのプルでは進まない!
平泳ぎはキックからの蹴伸びで、ストリームライン態勢を作って進むのがメインであります。
プルだけの練習をしていると、手の掻きだけでは推進力はほとんど出ないと思います。
むしろストリームラインが崩れて腰や足が下がる方が、水の抵抗を受けて大きなブレーキとなります。
手のかきを素速くコンパクトにして、ストリームラインが崩れる時間をできる限り短くするのが平泳ぎが速くなる秘訣です。
それでは、平泳ぎのプル動作は泳ぎにとってむしろ邪魔なのでしょうか?
一流選手は、豪快なプル動作でいかにも進んでいるように見えますが、実は邪魔になっているそうです。
「ストリームラインが大切」とよく言われるところです。
ではなんのために手の掻きがあるのかというと、それは進むためではなく呼吸をするためなんです。
それは、他の泳ぎと違って平泳ぎには呼吸にルールがあり、1ストロークにつき必ず1回呼吸をしなければならないからです。
■実際に速くなる泳ぎ方は
1.ストリームライン姿勢から、スカーリングで左右に水を押し分けます。
2.肩幅よりやや広く開いた時、両手の肘を上げた状態で、手の平をプールの底に向けます。
3.両手を胸の方に掻き込んで、すぐに手を合掌しながら前方に戻します。
平泳ぎの場合、プッシュとリカバリを1つの動作として考えて、これが上達のポイント。
戻し方としたら、両肩(肩甲骨)から戻すイメージで、これをいかに速く行うかがポイントになります。
4.手を前に戻したら伏し浮きの姿勢を作ります。このストリームラインでいかに水の抵抗を無くすことが出来ているかです。
■頭をどの時点で上げて呼吸をするのか
ストリームライン姿勢(伏し浮き)から、プルの掻き込みが始まった時に、頭から早く上げるのではなくて、胸の前で合掌すると同時くらいに上げてください。
胸の前でプッシュしますので、上半身が持ち上がるので顔が上がり、息を吸うことができます。
この上半身が上がる前に水中で息は吐いています。
その後、すぐに頭を水中に戻してストリームライン姿勢に戻ります。
このストリームライン姿勢が水平に高い位置で出来ているかが上達のポイントになります。
このようなことを考えながら練習したら、
50mをほとんどプル無しで、キックオンリーの泳ぎでもタイムはそんなに違わない!
あれだけ一生懸命に掻き込みをしているのに、トータルで6秒くらいしか違わないのです。
平泳ぎはキックとストリームラインがタイムアップに重要ですね。